「プロの技」

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03. 下手は並べ立てる

 直前の記事で書いた内容の続きです。
セールス担当者が、自身の取り扱う商品やサービスのセールスポイントを相手に伝える際の要件です。

 新米セールス担当の場合や、力不足のセールス担当が概して起こしてしまう間違ったセールス法。
それは、「セールスポイントの連発」です。
しかも、初対面におけるいきなりの売り込みも。
こんな素晴らしいポイントもありますし、こんな良いポイントもあります。 そして、こんなのも、こんなのも...。
兎に角、セールスポイントを延々と並べ立てる。
これは意味がありませんし、止めた方が良いでしょう。

 私達が何かちょっと高価なものを、買うか否かを迷っている時の事を思い出してみて下さい。
それが欲しい理由はと言うと、勿論、幾つかあるのでしょうが、中でも最も強い思い入れのある理由が、ひとつ存在する筈です。

 例えば、衣服を買い求める時。 
とても沢山の陳列の商品の中から、一点だけを選ぶ場合は、人によっては奇抜なデザインに魅かれる場合もあるでしょう。
逆にシンプルなデザインが気に入る人も居ます。
好きなカラーに魅かれる人も居ますし、描かれている絵柄やロゴに魅かれる人も。
そんな、それぞれの者が持つたった一点の強い思い入れが満足されれば、残る要因はそれ程の意味を持たないのです。

 B to B(ビジネス ツー ビジネス)の場合においても同様です。
いや、B to Bの場合は、もっとピンポイントの思い入れが存在します。
例えばビジネスで使用する機器類の場合。
「コスト削減」「仕事や製品の精度の向上」「製品製造時間の短縮」「労働時間の短縮」...。
各々の企業の抱える問題が存在し、それを十分に解決できる商品が、速やかに買って頂ける商品なのです。

 要するに、買い手側が持っている思い入れを高いレベルで満足させてあげる事の出来るセールスが、質が高くて効率の良いセールスなのです。
従いまして、セールスマンが先ずしなくてはいけない事は、セールス対象者の思い(ニーズ)を察知する事です。

 やはり、お客様とのコミュニケーション能力は最も大切な能力なのです。
お客様に身構える事をさせずに、自然と聴き出す力を身に付けて下さい。
好ましい表現ではありませんが「口を滑らせる力」が身に付くと、今までと違ったセールスの世界を体験することが出来るでしょう。

 具体的なテクニックは、今は紹介する事は致しません。
先ずは、セールス担当各位が自身で考えてみて、実践して見て下さい。
健闘を祈ります。



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