「心の部屋」

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09. 熱中できるモノを持つ(07号の続編)

 サラリーマンとして、企業や団体等に身を置く期間は概ね40年程。

長いのか短いのか、人それぞれの判断があると思います。

何れにしても、そんなサラリーマン人生に飽きて仕舞ったり、行き詰まりや嫌気がさす事なく続ける事は、大凡有り得ない事だと私は思います。

思い余って、不幸にも組織から飛び出すサラリーマンも。


 本稿07号でもお話ししましたが、世の中はそう甘くは無く、サラリーマン時代の何倍もの苦悩を抱えて、その後ずっと安定しない人生を歩む事になるケースも少なく無いのです。

高い志や強い意志を持っての「発展的なサラリーマン卒業」以外は、辞めて置いた方が身の為です。

では、どの様に生きれば、サラリーマン人生を上手く全うする事が出来るのでしょうか?


 自身の経験も含めてアドバイスするならば「仕事以外に熱中できるモノを見つけ出す事」です。

長く継続する事を望む、そんな愛すべきモノを見つける事。

趣味であったり、社会活動であったり、学習であったり、様々が当てはまると思います。


 そして大切な事。

仕事とそのモノとどちらが大切かと問われたら、「勿論、仕事!」等と体裁を構う事無く、「モノの方だ」と憚らずに言う事の出来る様な、それほど愛するモノである事が望ましい。

その大切なモノに熱中している最中には、仕事の事など頭の隅にも無い!

そんな素敵なモノを持ち合わせている人が、サラリーマン人生を上手に全うできる人であり、更には、サラリーマン人生において成功できる人だと思います。


 人間の心のキャパシティーは思うほど大きくは無く、様々を長きに渡って溜め込むと、必ず何時かは破裂して仕舞います。

従って、都度都度に心をリセットできる、そんな愛すべきモノを持つ事が、好ましいと私は感じて居るのです。


 更に好ましい条件を付け加えるならば、そのモノを楽しむ環境としては、出来れば自宅や職場では無く、全く別の空間で行う事です。

馴染んだ環境の場合、我に返って仕舞うケースも少なくは無く、現実の世界に戻って仕舞うのでは、とても勿体無いと思います。

環境をチェンジする事は、とても大切です。


 強いてもうひとつ付け加えるならば、体を動かす事が含まれる事です。

やはり何と言っても、体を動かす事が、心のリセットにはとても効果的なのです。

手前味噌で恐縮ですが、今の私をリセットしてくれる一番のモノは、趣味であるフィットネスクラブでのスタジオレッスンです。

一旦、スタジオ内に入ったら、レッスン以外の事が頭の中に存在する事は、先ず有りません。

勤勉な日本人の場合、何をして居ても仕事の事が頭から離れない事が多い様ですが、継続により魂が入り込むと共に、自ずと集中度が高まって行く事でしょう。

そんな事で、私にとってはスタジオレッスンと出会った事は、幸せな事だったと、とても感謝して居ます。


 最後に。

サラリーマン一年生の頃を思い出します。

「世の為、人の為」等と、高い志を抱いていた私、「自身の為」を余りにも等閑にしていた私でした。
日本人の平均以上に不器用者だった私です。




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