「心の部屋」

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07. そう甘くは無い!

 春には田に苗を植え、夏は水の管理や害虫や病気に気を配り、秋には収穫を行い、冬は蓄えで生活する。
農耕民族(我々)は、毎年、毎月、毎日、極端な変化が無く、想定通りの時が流れる事を好む人種でした。

 しかしながら、今の時代は、思想信条、生活スタイル、職業、趣味、娯楽...。様々において、選択肢がとても沢山存在します。
ですから、ひとつの事を長く続けているうちに、ついつい、迷いが生じて来る。

「もっと、良い生き方が在るのではないだろうか?」
「今の生き方は、実は自分には向いていないのでは?」

 どうですか?
これらの思いを、一度も抱いた事のない人は居ないのではないでしょうか。
そんな思いが満ちて、思い切って人生を変える人も居ます。
今まさに、その様な思いを強めている方も、若しかしたらいらっしゃるかも知れません。
そんな皆さんに、私からアドバイスを差し上げたいと思います。
 
 最も危険であり、気を付けなければいけない事。
それは、「人生を変える」と言う行動は「癖になってしまう」と言う事です。
新しい人生に入っても、暫くすると、また同様の迷いが生じて来て、更にもう一度、人生を変えたくなる。
そんな癖が身に付いてしまうと、何時まで経っても、人生が安定しない。
年齢を重ねるにつれて、転身する事がどんどん無理になって行き、暗い淵に沈み込んで行く。

 世の中、そう甘くは無い。
自身に、十分な知識や技能や行動力や判断力、そして忍耐力、もうひとつ「運」が無ければ、大事を成す事は難しいでしょう。
これら全てが揃う事は、非常に小さな確率だと思います。
特に「運」は、意識して手に入るものでは無く、結果が出た後にしか分からない存在。
しかしながら、「運」こそが最も大きな成功要因であると、私は思っています。

 結論を申し上げます。
簡単に「人生を変える」等と言った、無茶な事は考えない方が身の為。
宝くじならば外れても、然したる痛みやダメージは有りませんが、人生を掛けた勝負に負けると、立ち直ることは簡単ではありません。
出来るならば、今のままを受け入れる事をお勧めします。

 そうは言っても、上で挙げた揺れる思いは、今のままでは払拭されませんから、何とか解決策を見出さなくてはならないでしょう。
思わせ振りで恐縮ですが、策については、改めて別の号で提案させて頂きます。






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